ガラケーを使い続ける親世代。今後起こりうる生活上のトラブルや問題点とは

2019/10/31 09:58

いまや私たちの生活に、なくてはならないスマートフォン。一方で、自分たちの“親世代”のスマートフォン事情について、考えてみたことはありますか？　情報ツールが「ガラケー」から「スマートフォン」に切り替わる中で、その流れから取り残されつつあるのが、親世代です。彼らが直面している現状と、今後起こりうる生活のトラブルや問題点について考えてみましょう。

スマートフォンの個人保有率は、60代で33.4％と急減!! 理由は「電話連絡さえできればいい」

スマートフォンを使いこなす人は、60代、70代でも増えています。その一方で、今でもかたくなにガラケーから変えないシニア層が多数存在しているのも事実。

調査によると、2016 年のスマートフォンの個人保有率は、20代で94.2 ％、30 代で90.4 ％、50 代でも66.0％と過半数以上を占めています。しかし、60代になると33.4 ％、70代では13.1 ％まで減少するのです。

非常時に“情報難民”になる親世代。子ども世代は救える？

近年、技術の進歩を背景にさまざまなサービスがデジタル化し、拡大を続けています。大手スーパー撤退の波が押し寄せる一方でネットスーパーが急激に普及、また、さまざまな行政サービスのデジタル化が進み、医療行為の効率化や遠隔診療なども普及していくと予想されます。そして、こうしたサービスの多くがスマートフォンをツールとして利用できるようになると予想されます。

さらに、昨今、企業サイトの中にはガラケー用のホ－ムページを閉鎖、もしくはスマートフォン用のサイトしか用意していないというケースも少なくありません。そのため、知りたい時に知りたい情報が得られず、緊急時や非常時はもちろん、日常生活でも不便を感じる場面が増えていくでしょう。

NHKもガラケーサイトを閉鎖

スマートフォンを敬遠する親世代。その超えられない壁とは？

年齢を重ね、外出先だけでなく、家の中でもさまざまな「まさか」が起きかねないだけに、親世代ほどスマートフォンを活用するべきといえるでしょう。

しかし、実態として「スマホを勧めたけれど断られた」「そもそも必要性を感じないといわれた」といった経験を持つ子ども世代も少なくありません。思った以上にスマートフォンを持つこと自体を嫌がる親世代は多いのです。

たとえば、「パソコンがあるからスマホはいらない」という親世代に対して、「災害時にインターネットが不通になった時、情報収集できないことが心配」だと危惧する子ども世代。親に対して、子が一歩先を読んで説得する必要があるのです。さらに、非常時だけでなく「スマホがあれば、もっと頻繁に孫の顔が見られる」という利点も。また、LINEなどの無料通話・メールアプリの普及が進み、親世代の間でもトークグループを作って、活発なコミュニケーションを楽しむ人も増加しています。なかなか会えない孫とのコミュニケーションや、新しい“語らいの場”として、スマートフォンやタブレットを活用する楽しさもあるのです。

子ども世代が、親世代のスマートフォンの必要性を感じる一方で、「必要ない」「興味がない」と敬遠する親世代。その多くが「難しくて自分には使いこなせない」「通信料などの費用がかさむのではないか」といった“マイナスの先入観”を抱いていることが課題です。

親世代のスマートフォン購入＆使用には、子ども世代のサポートが重要

購入後、親世代がスマートフォンを使いこなすためには、子ども世代のサポートが大きな役割を担います。「一緒に量販店に行き、一緒に選ぶ」「すぐに使えるように設定のサポートをする」「アプリの使い方をレクチャーする」など、購入や使用を少し後押しするだけでも、親世代の“やる気”も変わってくるでしょう。

また、なにより親世代がスマートフォンを持つことで、その子ども世代が親の生活に伴う不安感を解消でき、親も子に与える負担を軽減できるはずです。

親世代にこそ、スマートフォンを！

ガラケーを使い続けることによる日常の不安や不便を解消するために、子ども世代は積極的に、スマートフォンの利用を親世代に勧めるべきではないでしょうか。「本人にその気がないから…」と放置するのではなく、スマートフォンやタブレットと親世代との距離を縮めるためのサポートを根気強く続けていきたいものです。

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